僕たちのパラドクス

482916381X僕たちのパラドクス―Acacia2279
厚木 隼
富士見書房 2007-01

by G-Tools


富や名声なんていらない。人類の幸福な未来なんて関係ない。ただ、たった一人の少女のためにー


SFモノだよ。SFモノ。未来からやってきた少女ハルナが、少年と世界の運命を大きく変えていく。
これは主人公の青葉じゃなくてもハルナに惚れてしまうよなーとい思ったり。
こんな可愛い女の子が剣や銃で戦う姿はさぞかしカッコいいだろうし。
明るく振舞ってても、見え隠れする不幸な境遇に「むしろ、もっとわがまましちゃっていいんだ」と思っちゃいますよ。戦闘とかは強いけど、精神面を見てしまうと、ほっとけない…。


話としては、タイトル通り「タイム・パラドクス」の話で進んでいく。
最初の100ページくらいは世界観の説明がほとんどで、やや退屈な面もあるけど、屈託ないハルナの口調が楽しくて、それほどつまんないとは思えず読めた。うん。後半の急展開は、SFに詳しい人が読んだらツッコミどころ満載なのかもしれんが、私は全然詳しくないし、そんなのアリかーっとは思いつつ、純粋に楽しめた。


ともかくネタバレしない感想を書くのは難しいなぁということで。ハルナという少女に惚れられるかどうかで面白いかどうか決まりそう。自分は主人公にシンクロして惚れたね。さすが大賞受賞作品だけある。久々に大満足の本でした。
読むのも久々だろというツッコミは勘弁…